先日ある社長から、
次のような相談を受けました。

それは、

昨年の春に採用した新人だが
思ったように成長しない。
能力が低く、うちの仕事に
向いていないかもしれないから、
辞めさせようかと思っている
というのです。

その新人の様子は・・・

同じことを何度も指摘される
モチベーションも高くない
自分から質問しない  等々

あまりパッとしないようです。

この会社は、昨年の春に2名の新卒を
採用しました。

その内の一人です。

もう一人は、
社長の期待に応える成長をして、
来年は責任のある仕事を
任せるつもりらしいのです。

社長としては、
せっかく採用した新人が
期待程でなかったという落胆と

この段階で同期で明らかな差を
つけてしまうことをを
気にされていました。

まぁ、このような社員を
辞めさせるかどうかは別にして

いくら指導しても、成長してくれない
ような新人には、悩まされますね。

私も同じような場面で失敗をしてきた
苦い経験があります。

当時の私は次のように思いながら
新人の部下を指導していました。

「入社して1年経ったのだから
これくらいはできて当たり前だろう」

「自分が新人の時はもっとできた」

今思えば、
自分の経験や一般的な見解を
基準にしていました。

だから、その基準に達しない者は
問題がある。とか、能力が低い。
と判断していました。

そして、しばらく指導を続けても
この変化が見られなければ

「こいつは言ってもダメなやつだ」

「彼は、意識が低く、これ以上
指導しても成長は期待できない」

「彼への指導に費やす時間があれば、
他のことに使ったほうが価値がある」

などど、真剣に思っていました。

で、私の部下はどうなかったというと・・・

それから半年後に、
突然、会社に来なくなりました。

その時に、私はどう思ったかというと

「やっぱり、その程度の常識がないやつだったんだ」
「このようなやつは、辞めてもらったほうがよい」 と

私の言っていることは
まさに正論でした。

だから、反論する人はなく
自分は正しいと信じていました。

しかし!

相談を受けた会社をはじめ
新人の育成の場面に多く触れてきて
ある過ちに気づいたのです。

特に出来の悪い新人に対する場合は
気をつけなければなりません。

私がしてきたように
成長の基準を、本人ではなく
「上司自身の経験を基準」に
してしまうということです。

人はそれぞれ違うので
本来の基準の当事者自身であるべきですが、
自分の経験に当てはめてしまうのです。

さらに、悪いことに
自分の経験と比較をして
ダメ出しのレッテルを貼り、
上司の方から指導を放棄してしまうのです。

つまり
「こいつはダメだ!」と決めて付けてしまうのです。

こんな経験は、あなたにもありませんか?

そこでわかったのは、

========================
人の成長は
関わりの度合いに比例する
=========================

そして

========================
育成において上司は
決して諦めてはいけない
========================

ということです。

結局のところ、
ダメ出しをして、
指導を放棄しているのは上司の方なのです。

だから、
相談をされた社長には
次のようにアドバイスをしました。

「判断をする前に、社長ご自身から、
この新人にもっと関わってください。」

そして

「俺は、お前の成長を絶対に諦めない!
だから、お前も諦めずについてこい!」

このような気持ちで
社長から向き合ってください。と

この社長は素直に
私の言葉を受け止めていただきました。

この先、この新人がどうなるかは
わかりませんが
私も、彼が成長することを
諦めずにいたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

また、お届けします。